MBTIに科学的根拠はない?

MBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標)は、自己理解や他者理解のツールとして広く知られていますが、実はその科学的根拠がないと指摘されることが多いのも事実です。

この記事では、MBTIの背景にある問題点に迫り、誰がMBTIを流行らせたのか、そしてその元ネタはどこにあるのかを探ります。

MBTIを正しく理解し、効果的に活用するためのポイントを詳しく解説します。

記事ポイント

  • MBTIに科学的根拠がないとされる理由や批判的な視点を知ることができる
  • MBTIの問題点や、その信頼性や妥当性についての学術的な評価を理解できる
  • MBTIを流行させた要因や元ネタとなったカール・ユングの理論を学べる
  • MBTIを実生活でどう活用すべきか、その有用性と限界を理解できる

「MBTIに科学的根拠はない?その疑問に迫る」

MBTIに科学的根拠はない?
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MBTI(マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標)は、自己理解や他者理解を深めるための性格診断ツールとして広く知られています。

MBTI性格類型検査(16タイプ診断)

本性格類型検査は、Myers、Briggs、von Franz及びvander Hoopが開発したJungの分類体系に従って独自開発した性格類型テストであり、公式MBTIテスト(the Myers-Briggs Type Indicator®MBTI)及びその他これらのツールと同一ではありませんので、混同しないでください。この検査は、当サイトで独自開発した無料検査であり、性格タイプを分類する上で高い正確性を示しています。

引用元:テストハロ

しかし、その科学的根拠については長年にわたり疑問が呈されており、信憑性に対する批判が絶えません。

本章では、MBTIに関する問題点や、なぜこれほど人気を集めたのか、そしてその基礎となる理論について掘り下げます。

MBTIの問題点は何?

MBTIは世界中で多くの人に利用されていますが、科学的な側面から見ると、いくつかの問題点が指摘されています。

MBTIの性格診断
MBTIの性格診断とその問題点

まず、MBTIの性格診断は「二項対立型」と呼ばれる形式を採用しており、人を16種類の性格タイプに分けます。

このアプローチが実際の人間の多様性を十分に反映しているかについては疑問が残ります。

また、MBTIの診断結果は再現性に欠けることがあり、同じ人が時間を空けて再度診断を受けると異なる結果が出るケースも少なくありません。

MBTIの結果が変わるとはどういうことか

MBTIは、自己理解の一つの方法であり、人間の性格を16のタイプに分ける心理学的手法です。それぞれのタイプは、思考や行動のパターンを表しています。しかし、人間の性格は固定的なものではなく、さまざまな状況や経験により変化が生じることがあります。

したがって、「MBTIの結果が変わる」とは、再度テストを受けたときに、以前と異なる結果が出ることを指します。これは、人間が経験を通じて変化し、成長することを示すものであり、あくまでその瞬間の自己を表すスナップショットという視点で捉えられるべきです。

引用元:UNINAVI

これにより、MBTIの信頼性に対して疑念を抱く声が上がっています。さらに、他の性格診断テストとの関連性も低く、科学的根拠が乏しいとされることがMBTIの大きな問題点の一つです。

誰がMBTIを流行らせたのか?

MBTIが日本で広く注目を集めた背景には、SNSやメディアの影響が大きく関与しています。

特に近年、韓国のアイドルグループBTSがメンバーのMBTIタイプを公表したことがきっかけで、ファンや若者の間でMBTI診断が大きなブームとなりました。

これにより、多くの人が自己分析を目的にMBTI診断を試み、SNSで診断結果をシェアすることが一種の流行となりました。

また、MBTIの結果が「性格タイプ」を明確に区分することから、自己を再確認する手段としてSNSやブログなどでの共有が盛んに行われ、その影響でMBTIがさらに普及しました。

特に、自分の性格を他者と比較し、共感や共通点を見つけることで、コミュニティ内での話題作りやアイデンティティの確認にも役立っていると言えるでしょう。

ホリエモンのMBTIについて知りたい方は、ホリエモンのMBTIのタイプを徹底分析!成功を支える性格タイプとは?をご覧ください。

MBTIの元ネタは?

MBTIは、スイスの心理学者カール・ユングの心理学理論を基礎として開発されました。

ユングは、人間の心理を理解するために、性格を「内向型」「外向型」などの異なるタイプに分ける理論を提唱しました。

MBTIは、スイスの心理学者カール・G・ユングによる著書「Psychological Types」の中にある心理学的タイプ論を基に、アメリカのキャサリン・ブリッグスとその娘イザベル・ブリッグス・マイヤーズが研究・開発を重ね、1962年に初版が世に出された性格検査です。

引用元:NLPの学び舎

これに基づき、アメリカのキャサリン・クック・ブリッグスと彼女の娘イザベル・ブリッグス・マイヤーズが、ユングの理論をさらに発展させ、日常生活での利用を意識した実用的な性格分類システムとしてMBTIを開発しました。

MBTIでは、ユングの理論に新たな指標を加え、人の行動や意思決定の傾向を16のタイプに分類する手法を確立しました。

しかし、この分類が果たして実際の人間の性格や行動をどこまで正確に反映しているかについては、科学的な議論が続いており、批判的な意見も根強く存在します。

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「MBTIに科学的根拠がないと言われる理由とは?」

科学的根拠がないと言われる理由
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MBTIは自己理解やチームビルディングなど、さまざまな場面で利用されていますが、科学的根拠に欠けるという批判もあります。

本章では、MBTIがなぜ人気を集めるのか、その一方で科学的に根拠が乏しいとされる理由について掘り下げていきます。

なぜMBTIをやるのか?

MBTIがこれほど多くの人々に支持されている理由の一つは、自己理解や他者理解を深めるためのシンプルかつ直感的な手法を提供しているからです。

人気のMBTI
人気のMBTI診断

MBTIの日本での人気の背景

MBTIが日本で人気を博している背景には、いくつかの文化的要因が影響しています。

一つ目は、Z世代を中心に「自分らしさ」を重要視する文化が広がっていることです。
MBTIは、自分自身の個性や強み、弱みを理解する手段として非常に有用です。

二つ目は、多様性を尊重する価値観が広まっていること。
MBTIを通じて他者の性格や考え方を理解することで、より良い人間関係を築けます。

引用元:健康ねっと

人々は自分の性格や行動パターンを確認し、日常生活や仕事において自分の強みや弱みを認識する手段としてMBTIを利用しています。

また、コミュニケーションや人間関係を円滑にするためにも役立つツールとして重宝されています。

例えば、職場のチームビルディングでは、メンバーのMBTIタイプを把握することで、各人の得意分野を活かし、協力しやすい環境を整えることができます。

また、パートナーや友人関係においても、お互いの性格タイプを理解することで、誤解や摩擦を減らし、より良い関係を築くことができるとされています。

MBTIの結果は、具体的な行動や考え方の傾向を明確にしてくれるため、自己分析が初めての人でも手軽に利用でき、さらにその結果が「当たっている」と感じることが多いことから、多くの人が興味を持ち続けています。

MBTIに科学的根拠がないと言われる理由

MBTIに科学的根拠がないと言われる理由
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MBTIが科学的根拠に欠けると言われる理由はいくつかあります。

ネットで「MBTI」と検索すると、一番上に出てくる「16 Personalities.com」は無料で診断でき、自分の性格タイプをかなり詳しく知ることができるためSNSを中心にかなり人気が高まっています。

しかしこの「16 Personalities」の性格診断テストは、実は正式なMBTI®ではないのです。

日本MBTI協会は、注意喚起をするため「16 Personalities性格診断テストはMTBI®とは似て非なるものである」という趣旨の声明文を公開しています。

ただ心理学の領域では、正式なMBTI®も性格検査としての信頼性や妥当性、ベースとなった理論に関しては疑問が呈されているようです。

引用元:Gooニュース

まず、MBTIの性格分類はユングの心理学理論に基づいていますが、ユングの理論自体が科学的データに基づいていない点が問題視されています。

ユングは主に自己の観察や経験を基に性格タイプを定義しましたが、これが実験的な裏付けを持たないため、MBTIもまた同様に科学的信頼性に欠けるとされています。

さらに、MBTIの診断結果には再現性が乏しいという批判もあります。

再現性とは、同じテストを受けた際に同じ結果が得られるかを意味しますが、多くの人が異なる時期に受けると結果が変わることがあり、このことがMBTIの信憑性を下げています。

また、MBTIが他の性格診断と比べて、相関性が低い点も科学的信頼性に欠ける理由の一つです。

このような指摘に対して、いくつかの研究や論文がMBTIの信頼性と妥当性を調査していますが、全体的にその効果や実証性には疑問が残ります。

特に、心理学の主流である「ビッグファイブ」との関連性が弱く、ビッグファイブのような性格特性の継続的なスペクトルではなく、MBTIは固定的なタイプ分類に依存していることが、MBTIの科学的根拠を問う大きな理由となっています。

MBTI診断と科学的根拠に関する論文

MBTIの科学的信頼性を検証するために、いくつかの研究論文が発表されています。

特に、MBTIの妥当性や信頼性に関する議論が注目されており、その評価は賛否両論です。

たとえば、米国の心理学者たちによるメタ分析では、MBTIが一部の指標では十分な信頼性を示している一方で、特定のタイプ分類(特に思考と感情のタイプ)においては信頼性が低いと報告されています。

また、MBTIの診断結果は、時間が経過すると変化する傾向があることが確認されており、これが再現性に関する大きな問題として指摘されています。

一方で、MBTIを支持する研究もあります。たとえば、MBTIの自己理解や職場でのチームビルディングに役立つとの結果を示す調査もあり、診断結果の実用性に関しては評価する意見も多いです。

ただし、科学的な基盤を持つ性格理論と比べた場合、MBTIの信頼性と妥当性はやや不安定であるというのが現時点での一般的な見解です。

MBTIの信憑性はどこにあるのか?

MBTIの診断結果がどの程度信頼できるかという点については、多くの議論があります。

特に再現性と一致性に関して問題が指摘されています。再現性とは、同じ個人が別のタイミングでMBTI診断を受けたときに、同じ結果が得られるかという指標ですが、これが必ずしも安定していません。

ある調査では、数ヶ月後に再びテストを受けると、異なるタイプが診断されるケースが少なくないことが示されています。

また、MBTIは、個人を16種類の性格タイプに分類しますが、その分類が固定的であり、性格の流動性や環境の影響を十分に反映していないという批判もあります。

こうした点から、MBTIの診断が完全に信頼できるかどうかには疑問が残ります。

ただし、MBTIはあくまで自己理解の補助ツールとして利用されることが多く、その範囲では信頼性を期待される部分もあるとされています。

MBTIはバーナム効果の影響を受けている?

MBTIの診断が多くの人に「当たっている」と感じられる理由の一つとして、バーナム効果が関与している可能性が考えられます。

バーナム効果とは、誰にでも当てはまりそうな一般的な性格記述を、自分に特有のものだと感じてしまう心理現象のことです。

MBTIの診断結果は、抽象的で広範な性格特性を提示するため、誰もがある程度その結果に共感しやすくなっています。

例えば、「あなたは内向的でありながら、時折外向的な側面を持っている」というような結果は、ほぼ誰にでも当てはまるため、多くの人が「的確だ」と感じてしまうのです。

このように、MBTIの人気の一因には、バーナム効果が影響している可能性があり、それが科学的根拠に基づかない結果であっても、信憑性があるように感じられる理由の一つとなっています。

MBTI「性格が悪い」ランキングは信頼できるのか?

MBTI「性格が悪い」ランキング
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SNSでたびたび話題になる「MBTI性格が悪いランキング」ですが、これはあくまでエンターテインメントとして捉えるべきものであり、科学的な根拠はありません。

MBTIは、個人の性格を16タイプに分類するもので、性格の良し悪しを測るものではないため、性格が「悪い」とされるランキングは信憑性に欠けます。

そもそも、性格の良し悪しは非常に主観的で、文化や状況によって異なります。

MBTIは自己理解やコミュニケーションを円滑にするためのツールとして設計されているため、ランキング形式で他者と比較するのはMBTIの本来の意図を外れた使い方です。

このようなランキングが流行る背景には、SNS文化の影響や、性格診断をエンターテインメントとして楽しむ側面が強いと言えるでしょう。

本物のMBTI診断と無料版の違い

インターネット上で提供される無料のMBTI診断は気軽に利用できるものの、本物のMBTI認定診断とは大きな違いがあります。

日本MBTI協会によれば、誤って『MBTI』として広まっている無料の性格診断テストのひとつが、2022年に韓国でブームとなった『16Personalities』。

60問の質問に対し、「とてもそう」「あまりそうでもない」「ふつう」といった7段階の程度から回答を選択し、その自身の回答により、“内向的”、“外向的”など、性格のタイプが診断され4文字のアルファベットで表示されます。

SNS上でも『16Personalities』が『MBTI』として認知されていることが多く、正式の『MBTI』とは異なる情報が拡散されています。

引用元:日テレNEWS

まず、無料診断は通常、簡略化された質問形式であり、公式のMBTI診断に比べて質問数が少ないため、結果の正確性が低いことが多いです。

一方、MBTI認定の公式診断は、信頼性を高めるために設計されており、資格を持った専門家が実施します。

診断結果はより詳細で、16の性格タイプだけでなく、各特性の強さや傾向までを分析します。

また、フィードバックセッションが設けられており、結果を正しく理解し、どのように活用すべきかをアドバイスしてもらえます。

無料版と公式版の最大の違いは、診断結果の精度と、その後のアドバイスの有無にあります。

無料診断は楽しみとして利用するのには適していますが、自己理解を深めるためには公式のMBTI診断を受けることが推奨されます。

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まとめ:MBTIに科学的根拠はない?その有用性と注意点を理解しよう

MBTIは自己理解や他者理解を深めるツールとして広く使われていますが、その科学的根拠には疑問の声も多いです。

心理学的な妥当性や信頼性が問題視される一方で、日常生活や職場でのコミュニケーション改善に役立つことは否定できません。

しかし、あくまで参考程度にとどめ、診断結果に過剰に依存しないことが重要です。ここでは、MBTIの有用性や注意点についてのポイントをまとめます。

  • MBTIは自己理解や他者理解のために広く利用されている
  • 科学的根拠や信頼性には疑問が残る
  • MBTIはカール・ユングの心理学理論に基づいている
  • 妥当性や再現性が他の性格診断に比べて低いとされている
  • バーナム効果の影響で誰にでも当てはまりやすい傾向がある
  • 日本でMBTIが流行した背景には有名人やSNSの影響が大きい
  • 無料版と本物のMBTI診断には内容やプロセスに大きな違いがある
  • 日本人には特定のMBTIタイプが多い傾向がある
  • 職場や教育現場でコミュニケーション改善に使われることが多い
  • MBTIの性格ランキングなどはエンタメ要素が強く、信頼性が低い
  • MBTIは個人の成長や他者理解の一助として活用できる
  • 過度な依存や固定化は避け、参考情報として捉えることが大切
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